FULLRANGE [REEL]
(フルレンジ)

フルレンジのベイトキャスティングリールを使い始めてどのぐらいだろうか……!?

試作も含めて複数年使用し続け、これから紹介するホーム芦ノ湖のバスはもとより、ヨーロッパ、アジア、アメリカなどで数々の魚を仕留めてきた。ソルトウォーターフィッシングでの酷使、魚種も問わずオーバーサイズの魚とのファイトにも耐えてきた。

話をバスに戻そう。私のホーム芦ノ湖はジンクリアな水質。ワカサギをメインベイトにしている…そこではルアーもよりフィネスになり、スピニングタックルがメインになると思う人も多いのではないか。しかし、クリアウォーターならではの“魚との間合い”を確保する飛距離、山上湖ならではの目まぐるしく変化する荒天の中でのアプローチ、人影や日差しを避けてカバーの奥に逃げ込んだバスにルアーを届けるキャスト精度など、ベイトタックルでないと成立しないゲーム展開も多い。ペンシルベイトやフットボールラバージグ、スピナーベイト、ギル型ルアーなど、狙ったスポットに正確に撃ちこみ続けることで、ビッグバイトが得られることも頻繁にあるのだ。

そのキャストはオーバーハングや大岩、桟橋など狙ったピンポイントに一撃で決めなければならず二回目は許されない。「もう少し低弾道で飛距離を伸ばしたい…」そんな時は是非フルレンジリールを使ってみて欲しい。サイズの違うブレーキシューを搭載した6pinの遠心ブレーキならではの組み合わせ、微調整で「さらに飛距離」「伸び」を出すようなセッティングができる。最後にブレーキ力が利く遠心ブレーキのマニュアル感を体感できるはずだ。34㎜のスプール径は軽量～重量級ルアーを問わず「回転」や「慣性」をバランスよく持つサイズ感だと思う。キャストがショートすることを一番のNGとし、カバーの奥に入ってくれる方が良いと思うので、同じサイズのペンシルベイトでも少しでも重め＆大きめのルアーを好んで使用する。それら重量級ルアーのキャストの負荷、勢いに耐えるリールであることも間違いない。

ドラグについては「ベイトはクラッチオフで対応するから大丈夫」と思っている人もいるだろうが、スプールを抑える親指が火傷するような瞬発的に突っ込むモンスターバスやソルトウォーターの大型魚では、その性能の差を体感することとなる。人間が「マズい！」と思ってからクラッチオフをする行為は、実は対応が追いつかないことも多く、フルレンジリールがもつドラグ性能、その滑り出しの良さが効いてくる。

ギア比も現在では81/81BF/73/66/54と、フルレンジの名前の通り、あらゆるバスフィッシングスタイルに対応できるラインナップとなっている。自分のオススメは66で巻き続けること。ウィードや岩などボトムタッチにおけるスタック（根掛かり）も少ないし、一日を通してリズムを崩さず巻き続けることができるというわけだ。